家事を減らして時間を作る シンプルな「やめる家事」リスト
日々の暮らしの中で、家事は終わりのない作業のように感じられるかもしれません。特に子育てを経験され、少し手が離れてきたとはいえ、これまでの家事の習慣を見直したい、もっと効率良くこなしたい、そして自分の時間や家族との時間を大切にしたいとお考えの方もいらっしゃるかと思います。
一生懸命家事をこなすことは素晴らしいことですが、「やらなければ」という思い込みから、実は必要のない家事まで抱え込んでしまっている可能性もございます。ここでは、家事の負担を減らし、本当に大切なことに時間を使うための「やめる家事」について考えてみましょう。
なぜ「やめる家事」が必要なのでしょうか
家事の効率化というと、便利な道具を使ったり、新しいやり方を取り入れたりすることを想像されるかもしれません。しかし、それ以前に効果的なのが、「そもそもやらなくていい家事はないか?」と見直すことです。
私たちは、親から学んだり、常識だと思ったりして、無意識のうちに特定の家事のやり方や頻度を守っていることがあります。ですが、家族構成やライフスタイルが変わった今、その全てが必要とは限らないのです。思い切っていくつかの家事を「やめる」ことで、物理的な時間だけでなく、精神的な負担も大きく軽減され、心にゆとりが生まれます。
あなたの「やめる家事」を見つけるステップ
では、具体的にどのような家事を「やめる」ことができるのでしょうか。まずは、ご自身の家事について棚卸しをしてみましょう。
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家事のルーティンを書き出してみる: 朝起きてから寝るまで、普段どのような家事を、どのくらいの頻度で行っているかを、ざっくりと書き出してみます。「朝食の準備」「洗濯」「掃除機がけ」「夕食の片付け」など、些細なことでも構いません。
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それぞれの家事に「問い」を投げかける: 書き出した家事一つひとつに対し、次の質問を自分に問いかけてみてください。
- 「この家事は、本当に『今』『このやり方』で必要だろうか?」
- 「これは誰のためにやっているのだろうか?」
- 「これをやらなかったら、どんな問題が起きるだろうか?」
- 「もっと簡単な方法はないだろうか?」
- 「完璧にやる必要はあるだろうか?」
例えば、「毎日全ての部屋に掃除機をかける」という家事があるとして、「本当に毎日必要か?」「週末だけの掃除機がけで十分ではないか?」と問いかけます。あるいは、「靴下の仕分けを色別に細かく行う」という家事に対しては、「そこまで細かく分ける必要はあるか?」「家族はそこまで求めているか?」と考えてみます。
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「やめてみる」ことをリストアップする: 問いかけを通じて、「もしかしたらやめても大丈夫かもしれない」と思える家事が見つかるはずです。それらをリストアップしてみましょう。最初は「週に〇回から〇回に減らす」といった頻度の見直しでも良いですし、「完璧に畳むのをやめる」といった質の変更でも構いません。
具体的な「やめる家事」のアイデア
どのような家事が見直しの対象になるか、いくつか例を挙げます。これらはあくまで一般的な例ですので、ご自身の状況に合わせて考えてみてください。
- 毎日の完璧な掃除: リビング全体を毎日掃除機がけする必要はないかもしれません。気になる場所だけさっとハンディクリーナーをかける、拭き掃除は週に一度にするなど、頻度や範囲を見直してみましょう。ホコリは高い場所から低い場所へ落ちるので、毎日拭く必要のない場所もあります。
- アイロンがけが必要な服: シワになりにくい素材の服を選んだり、乾燥機を活用したりすることで、アイロンがけそのものを減らすことができます。どうしても必要なものだけアイロンをかけるようにするなど、基準を設けるのも一つの方法です。
- 全て手作りへのこだわり: 料理において、全ての工程を手作りすることにこだわる必要はありません。市販の調味料やカット野菜、冷凍食品などを上手に活用することで、調理時間を大幅に短縮できます。栄養バランスや彩りを考えつつ、無理のない範囲で手を抜くことを自分に許可しましょう。
- 細かすぎるモノの分類: 引き出しの中や書類など、細かく分類しすぎることで、かえって元に戻すのが面倒になり、散らかる原因になることもあります。「ざっくり分類」でも問題ないものは、思い切って基準を緩めてみましょう。
- 「とりあえず置き」の完全撤廃: 完全に「とりあえず置き」をなくすのは難しい場合もあります。特定の場所に「一時置き場」を設け、そこだけは後で片付ける、といったように、完璧を目指さずにある程度許容する柔軟さも大切です。ただし、その場所が散らかりすぎないよう、定期的な見直しは必要です。
- 特定の洗濯方法へのこだわり: 家族の衣類を全て手洗いしたり、色柄物と白物を細かく分けすぎたりしていませんか。洗濯表示を確認し、可能な範囲でまとめて洗うなど、効率を優先することも検討できます。
「やめる」ことで生まれるもの
家事を「やめる」ことに罪悪感を感じる必要はありません。それは決して怠慢ではなく、限られた時間やエネルギーを、より価値のあることに使うための賢い選択です。
家事の負担が減ることで、時間に追われる感覚が薄れ、心にゆとりが生まれます。その空いた時間で、読みたかった本を読んだり、趣味に没頭したり、家族とゆっくり話したり、ただ何もせず休息したりと、ご自身にとって大切なことに時間を使うことができるようになります。
最初は少し不安に感じるかもしれませんが、「試しに〇週間だけやめてみる」というように、期間限定で試してみるのも良い方法です。もし困ることがなければ、そのまま「やめる家事リスト」に加えてしまいましょう。
まとめ
家事は、私たちの生活を快適に保つための手段です。手段が目的になってしまい、自分や家族を苦しめるようなものであっては本末転倒です。
今回ご紹介した「やめる家事」の見つけ方やアイデアが、あなたの家事負担を軽減し、より豊かな時間を作り出す一助となれば幸いです。完璧を目指すのではなく、ご自身とご家族にとって心地よい暮らしの形を、家事を通して見つけていくことが大切だと考えます。一つずつ、無理のない範囲で試してみてください。