気がつけば終わってる?「名もなき家事」の負担を減らすシンプルな習慣
日々の暮らしには、掃除や洗濯、料理といった主要な家事の他にも、名前のない細々とした家事がたくさん存在します。例えば、トイレットペーパーの交換、ゴミ箱に新しいゴミ袋をセットする、洗剤やシャンプーの詰め替え、切れた電球の交換などです。これらは一つ一つは小さな作業ですが、数が多く、頻繁に発生するため、積み重なると意外な負担になることがあります。
これらの「名もなき家事」は、つい後回しにされたり、「誰かがやってくれるだろう」と思われたりしやすい一方で、やらないと生活に支障が出てくるものです。そして、結局自分がやることになった時に、少しだけ面倒に感じてしまうこともあるかもしれません。
しかし、これらの「名もなき家事」を少しでも楽にする、シンプルで無理のない方法があります。特別な道具や時間をかけずに、日々の暮らしの中で自然にこなせるような習慣を身につけることで、家事全体の負担を減らし、心にゆとりを持つことにつながります。
「名もなき家事」が負担に感じる理由
なぜ、「名もなき家事」は負担に感じやすいのでしょうか。いくつかの理由が考えられます。
- 発生タイミングが不定期: 計画的に行う掃除や料理と違い、必要な時に突発的に発生することが多いです。
- 作業が細切れ: それぞれの作業時間が短く、まとめて片付けにくい性質があります。
- 達成感を感じにくい: やって当たり前と思われがちで、労力が認められにくいため、モチベーションが維持しにくいことがあります。
- 定位置や仕組みがない: どこに何があるか、どうすればいいかが曖昧な場合、一つ一つの作業に迷いが生じます。
これらの要因が組み合わさることで、「名もなき家事」は「面倒だな」と感じる家事リストの上位に来てしまうことがあります。
「名もなき家事」を楽にするシンプルな習慣
では、これらの負担を減らすためには、どのような習慣を取り入れると良いのでしょうか。ここでは、すぐに実践できるシンプルなアイデアをいくつかご紹介します。
1. ストックと定位置を見える化する
トイレットペーパーや洗剤、ゴミ袋など、「名もなき家事」で使うことの多い消耗品は、ストックを切らさないことが重要です。
- ストック置き場を決める: 消耗品のストック場所を決め、家族みんながどこに何があるかを把握できるようにします。
- 残量が少なくなったら買い足すルール: 「残りあと○個になったら買う」のように、具体的な買い足しタイミングを決めておきます。ストック置き場にカゴを用意し、そこに一つだけ予備を残しておく、といった方法も分かりやすいです。
- 使う場所の近くに置く: トイレットペーパーはトイレの棚に予備を数個、ゴミ袋はゴミ箱の引き出しに、洗剤はシンクの下など、実際に使う場所の近くにストックの一部を置いておきます。これにより、「取りに行く」という小さな一手間を省くことができます。
2. 「ついで」の習慣を意識する
何かの作業をした「ついで」に、「名もなき家事」の一つを済ませてしまう習慣をつけます。
- トイレに行ったついでに: トイレットペーパーが残り少なかったら、新しいものを近くのストックから補充します。使い切ったら、その場で芯を捨てる場所へ持って行きます。
- ゴミをまとめたついでに: ゴミ箱の袋がいっぱいになったら、新しいゴミ袋をセットする。これは、ゴミを出しに行くという行動とセットにしやすい作業です。
- 買い物のついでに: 必要な消耗品のストックが少なくなっていることをメモしておき、買い物のリストに加える。
「ついで」の習慣は、特別な時間を確保する必要がなく、他の行動と紐づいているため忘れにくいというメリットがあります。
3. 作業を仕組み化する
特定の「名もなき家事」を、よりスムーズに行えるような仕組みを作ります。
- ゴミ箱とゴミ袋のセット: ゴミ箱の底や側面に、新しいゴミ袋を数枚貼り付けておく、あるいはゴミ箱のすぐ下の引き出しにゴミ袋ロールを入れておくことで、袋の交換作業が格段に楽になります。
- 洗剤の詰め替え頻度を減らす: 大容量の詰め替え用を購入したり、詰め替え回数を減らせるような少し大きめのボトルを使ったりする。
- チェックリストを作る(ゆるく): 特に気になる「名もなき家事」(例えば、玄関の電球交換、換気扇フィルター交換など、頻度は低いけれど忘れると困るもの)は、目につく場所に簡単なチェックリストや交換日をメモしておく。
4. 家族で自然にシェアできる工夫
お子様が成長して手が離れつつある場合、家族に「名もなき家事」の一部を自然とお願いできるような仕組みを考えてみるのも良い方法です。
- モノの定位置化を徹底する: 消耗品に限らず、あらゆるモノの定位置を決めておくことで、家族の誰でも「どこにあるか分からない」という手間なく作業できるようになります。
- 「お願い」ではなく「仕組み」で促す: 例えば、空になったシャンプーボトルを浴室から脱衣所の詰め替えセットのそばに置いておく、など、次の人が行動しやすくなるような小さな工夫をします。
- 感謝を伝える: 家族が「名もなき家事」をやってくれた時には、当たり前と思わず感謝の気持ちを伝えることで、お互いに気持ちよく家事に取り組めるようになります。
完璧を目指さずに、できることから始める
これらの習慣は、すべてを一度に完璧にこなす必要はありません。まずは一つか二つ、ご自身が最も負担に感じている「名もなき家事」に焦点を当てて、ご紹介したシンプルな方法を試してみてください。
例えば、「トイレットペーパーの交換をスムーズにする」ことから始めてみる。それが習慣になったら、次は「ゴミ袋の交換」を楽にする仕組みを作る、といったように、一つずつ取り組むことで、無理なく新しい習慣を身につけることができます。
「名もなき家事」の負担が減ることは、日々の小さなストレスが減ることでもあります。そして、その結果生まれた少しの時間や心のゆとりが、ご自身の趣味の時間や、ご家族との穏やかな時間につながっていくでしょう。
ぜひ、ご紹介したシンプルな習慣を参考に、あなたの暮らしに合った方法を見つけて、家事の負担を少しでも減らしてみてください。